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糖尿病の原因は「糖」じゃなかった

[2025.04.16]

糖尿病の原因は「糖」じゃなかった!?
真の犯人と今日からできる5つの改善法

糖尿病の原因は「糖」ではなく“〇〇”です

「一度糖尿病になったら一生治らない」
「薬を始めたら一生やめられない」

そんなふうに思っている方もいらっしゃると思います。
実は、その思い込み、正しくありません。薬を減らしたり、やめられた方もいらっしゃるし、糖尿病が寛解した方もいらっしゃいます。

今回は、糖尿病専門医の私が、糖尿病の真の原因=インスリン抵抗性について解説します。
最後には【インスリン抵抗性チェックリスト】や【改善のための具体策】も紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

第1章:そもそも糖尿病とは?

「糖尿病=血糖値が高い病気」と思っていませんか?
それも間違いではないのですが、実はもっと深いレベルで異常が起きています。

私たちがご飯やパン、甘い物を食べると、血液中のブドウ糖、つまり血糖値が上がります。すると、膵臓から「インスリン」というホルモンが出て、血糖を細胞の中へ送り込む指示を出します。インスリンは、まるで「カギ」のような役割。細胞にある「ドア(受容体)」にカギを差し込み、「開けて!ブドウ糖を取り込んでエネルギーにして!」と合図を送ります。健康な体では、これがスムーズに行われます。 でも、ある日突然、このドアが開きにくくなってくるのです。つまり ドアが開かないと血液中のブドウ糖が細胞に入ることができず血液中にブドウが溢れ高血糖になる⇨糖尿病になるということです。それが次の章でお話しする「インスリン抵抗性」という状態です。

第2章:インスリン抵抗性って何?

インスリン抵抗性とは、インスリンの作用が悪くなっている状態。
インスリンが効きにくくなっているのです。

先ほどのたとえで言えば、インスリンというカギを使っても、ドアのカギ穴がサビついていて開かない。つまり、細胞がブドウ糖を受け取れない状態です。ブドウ糖が血液中に残ったままになると、体は「血糖値が下がらない!」と判断して、もっともっとインスリンを出します。でも、出しても出しても効かない。これはまるで、車のブレーキが利かず、アクセルを踏み続けるような状態。最初は必死に頑張っていた膵臓も、やがて疲れ果て、インスリンを出せなくなっていく。それが本格的な糖尿病の始まりなんです。だからこそ、この「インスリン抵抗性」こそが、糖尿病の根本原因=“真犯人”なんです。

第3章:なぜ“インスリン抵抗性”が一番悪いのか?

糖尿病を進める原因はいろいろありますが、中でも最も多いのがインスリン抵抗性で、最も悪質だと言われる理由は3つあります。

①「静かに進行するから気づきにくい」

血糖値が正常でも、体の中ではインスリン抵抗性が何年も前から進行しています。
いわば「サイレントクラッシャー」。
健康診断で見逃されやすいのが怖いところです。

②「糖尿病だけじゃない、他の病気にも関係している」

インスリン抵抗性があると、

  • 肥満、脂肪肝
  • 動脈硬化、心筋梗塞
  • 認知症、がん
  • 女性のPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)

など、ありとあらゆる慢性疾患の根っこになります。

③「悪循環にハマりやすい」

インスリン抵抗性があると、
 → 血糖値が下がらない
 → インスリンが増える
 → 太りやすくなる
 → さらに抵抗性が進む

このスパイラルに陥ると、薬をどんどん増やしても根本改善にはなりません。
逆に言えば、インスリン抵抗性を断ち切ることができれば、この悪循環を止められるんです。

第4章:あなたも当てはまる?インスリン抵抗性チェックリスト

では、ここで簡単なセルフチェックをしてみましょう。次の項目に当てはまるものはいくつありますか?

  • ✅ お腹まわりの脂肪が落ちない 健康診断で腹囲が大きいと言われた。
  • ✅ 食後、眠くなる or 甘い物が欲しくなる
  • ✅ 朝起きるのがつらい
  • ✅ 肝機能の数値が少し高め(特にALT)
  • ✅ 脂肪肝があると言われた
  • ✅ 中性脂肪やコレステロールが高い
  • ✅ 血糖値は正常でもHbA1cが5.8%以上

3つ以上当てはまる方は、インスリン抵抗性の可能性ありです。医療機関では「HOMA-IR」「空腹時インスリン値」などの検査でより正確に確認できます。もし、あなたが医療機関を受しているなら空腹時採血でインスリン値を測定してみてください。空腹時の血糖値にもよりますがインスリン値がおおよその目安ですが5以上であった場合はインスリン抵抗性があると考えていいでしょう。もっと詳細にはHOMAIRという値を計算したりします。

第5章:どうやって改善できる?

🥗 食事
  • 炭水化物を控えめに(ご飯の量は軽く一杯程度、ジュースや砂糖入りのお菓子などは避ける)
  • 白米や白パン → 玄米や雑穀へ
  • 魚・卵・豆腐など良質なタンパク質をしっかり
  • オメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油)を摂取
  • 野菜、きのこ、海藻をたっぷり!⇨腸内環境を整える
🏋️‍♀️ 運動

特におすすめは筋トレ。
太ももやお尻など大きな筋肉を鍛えると、インスリンの効きがUP。
まずは週2~3回、15分のスクワットから始めましょう!

😴 睡眠・ストレス対策

睡眠不足・ストレスもインスリン抵抗性を悪化させます。
ヨガ・瞑想・アロマ・森林浴など、“整う時間”を意識的に取りましょう。

🔄 ファスティング(断続的断食)

16時間のプチ断食(インターミッテント・ファスティング)も有効。
16時間とまで行かなくても10〜12時間の空腹の時間を作るといいと思います。
※お薬を内服している方持病がある方は医師と相談を。

第6章:まとめと未来へのメッセージ

インスリン抵抗性は、見えないうちに進行し、糖尿病を引き起こす“真の犯人”。
でも――それは、改善できます。インスリン抵抗性を改善すれば、

✔️血糖値が下がり、薬を減らせる可能性もある
 ✔ 体重や体脂肪が落ち、代謝が上がる
 ✔ 疲れにくくなり、体調が整う
 ✔ 糖尿病の「寛解」も夢ではない

糖尿病は、一生付き合うものじゃない。
今ここから、体を内側から整えて、人生を変えるチャンスにしていきましょう!


最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が少しでも役立ったと思ったら、シェアしていただけると嬉しいです。

次回は、「インスリン抵抗性・糖尿病改善に効く!おすすめ運動メニュー」を紹介予定です。お楽しみに!

そして、私の著書
📘『内側から整える7つのステップ 生活習慣病への根本的アプローチ』
が4月16日にKindleで発売されました!

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まとめポイント

  • 糖尿病の本当の原因は「インスリン抵抗性」
  • 生活習慣の見直し(食事・運動・睡眠)で改善可能
  • 医師のチェックで早期発見&対応を
  • 糖尿病は「寛解」も目指せる時代
記事執筆者
安藤医院
副院長
安藤 れいか
(張 麗香)
資格
  • 日本糖尿病学会 専門医
  • 日本内科学会 総合内科 専門医
  • 抗加齢学会 専門医
  • 日本スポーツ協会スポーツドクター
  • 日本医師会健康スポーツ医
  • 臨床分子栄養研究会 指導医
  • 生涯学習開発財団認定コーチ
  • 日本コーチ協会認定メディカルコーチ
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本糖尿病学会
  • 日本内分泌学会
  • 日本甲状腺学会
  • 日本肥満学会
  • 抗加齢学会
  • 日本マインドフルネス学会
  • 日本メンズヘルス医学会
  • オーソモレキュラー医学会
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  • 点滴療法研究会
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