高尿酸血症とは
高尿酸血症とは、プリン体が分解される際に発生する老廃物である尿酸の血液中の濃度が異常に高くなった状態のことを指します。
尿酸値が7mg/dl以上になると高尿酸血症と診断され、8~9mg/dl以上になると痛風発作やその他の合併症の併発可能性が高まります。
高尿酸血症そのものには症状がないのですが、歩行が困難になるほどの激痛が足に走る痛風発作を引き起こす可能性があるほか、尿路結石の発症可能性が高まります。
また尿酸が血液中に増えると動脈硬化を引き起こすこともあります。
尿酸値の高さを指摘された場合や、思い当たる症状がある場合には放置をせずに当院へご相談ください。
このような方は受診をおすすめします
- ビールをよく飲む
- たらこやいくらなどの魚卵や、レバーなどプリン体が多く含まれた食べ物をよく食べる
- 尿酸値の高さを健康診断などで指摘された
- 足の親指の辺りに痛みを覚えるようになった
高尿酸血症の原因
尿酸値が上昇してしまう原因としては
尿酸が過剰に生成される(尿酸生産過剰型)、尿酸の排出量が低下する(尿酸排出低下型)、この両方の原因による混合型の3つが挙げられています。
特に尿酸が過剰に生成されてしまう原因としては「プリン体が含まれるものを多く摂取してしまう」ことが考えられており、プリン体の摂取を0にすることは不可能ですが、食べ過ぎには注意が必要です。
プリン体が多く含まれる食べ物には下記のようなものがあります。
- ビール
- たらこ、いくらなどの魚卵
- 鶏卵
- レバーをはじめとした肉類
- イワシやアジなどの魚類
1日のプリン体の摂取量として推奨されているのは400mgです。
都度計算するのは難しいと思いますが、これらの食べ物をよく食べる方は摂取基準を超えないように調整を行うことが必要です。
また、尿酸の排出量が低下してしまう要因としては水分量不足なども挙げられるため、適度に水分を摂取するなどの工夫が必要になります。
高尿酸血症のリスク・影響
痛風発作
尿酸値が高い状態が続くと尿酸が血液中に溶けなくなり、これが関節などに溜まって起こる痛みが痛風発作です。
足の親指がある日突然腫れあがり、歩くことも困難なほどの痛みを覚えます。痛みは徐々に和らいでいきますが、治療を受けずに放置をしていると繰り返し発症する可能性のある疾患です。
尿路結石
血液中に溶けなくなった尿酸が次第に塊となって血管内に蓄積し、結石になります。これが腎臓から尿管に移ると尿路結石になります。
痛風同様、尿路結石も激しい痛みを覚える疾患です。
動脈硬化
プリン体が分解される際に生成される尿酸ですが、この生成過程で血管に酸化ストレスをかけることが分かっています。
この酸化ストレスによって血管内に傷がつき、血管が厚く、硬くなってしまう、動脈硬化が進行します。
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患の要因となるもので、これらの疾患に罹ると言語障害や嚥下障害、運動障害などの重い後遺症が残る可能性があります。
高尿酸血症の治療方法
高尿酸血症の治療方法は食事療法などの生活習慣改善が主になります。
食事療法
プリン体を多く含むものの摂取は控え、適正量になるように食事指導を行います。
また、アルコールも摂取制限を行い、プリン体の摂取量を調整するほか、水分不足にならないように、こまめな水分補給を行うことも重要です。
薬物療法
痛風発作を1度でも起こしたことがある人や、高血圧や腎障害などの症状を発症している場合には尿酸の生成を抑制するような薬物治療を行います。
お問い合わせ
高尿酸血症は痛風発作以外にも動脈硬化などの疾患につながる可能性のある病です。
尿酸値が高まるような生活習慣をしている方や、尿酸値の高さを指摘された場合には1度クリニックにご相談ください。