甲状腺外来
甲状腺機能が高まりすぎると、汗かきになったり脈が速くなったりします。
逆に機能が低下した場合、だるくなったりむくんだりします。
甲状腺にがんが出来ることもあり、当院ではバセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎を中心に診療しております。
甲状腺疾患とは
甲状腺疾患は多く、わが国では潜在的患者も含めて1,000万~2,000万人いると言われています。
中でも甲状腺自己抗体陽性の橋本病は成人女性の軽症例まで含めると、女性の約30人に1人が罹患しているともいわれています。
また、バセドウ病もわが国の全人口の数百人に1人いると考えられています。
甲状腺疾患は自分では症状を自覚しないうちに進行することがあります。簡単な検査(採血・エコー等)で病態を正しく診断できて、内服治療だけで症状が楽になられた方もたくさんいらっしゃいますので、健康診断で甲状腺の腫れを指摘された場合など速やかに医師に相談しましょう。
甲状腺ホルモンに異常があるとこんな症状が現れます。
4つ以上当てはまるものがあったら、一度血液検査を受けましょう。
甲状腺機能亢進で現れる症状(甲状腺ホルモンが多い時)
- 疲れやすさやだるさがある
- 汗が異常に多い
- 暑がりである
- 脈拍数が多く、動悸がする
- 手足がふるえる
- 甲状腺が腫れる
- 食欲が旺盛である
- イライラする
- かゆみがある
- 口が渇く
- 眠れない
- 微熱が続く
- 息切れがする
- 髪の毛が抜ける
- 排便の回数が増える
- 眼球が出てくる
甲状腺機能低下で現れる症状(甲状腺ホルモンが少ない時)
- 疲れやすさやだるさがある
- 汗が少ない
- 寒がりである
- 脈拍数が少ない
- むくむ(顔、全身)
- 甲状腺が腫れる
- 体重が増える
- 気力がない
- 皮膚が乾燥する
- 声がかれる
- 眠たい
- 物忘れしやすい
- 動作が鈍い
- 髪の毛が抜ける
- 便秘
- 筋力が低下する
●バセドウ病
自己免疫疾患の一つで、免疫系が誤って甲状腺を攻撃し、過剰にホルモンを分泌することで発症します。これにより、代謝が過度に活発になり、動悸、体重減少、手の震え、汗かき、眼球突出(眼が飛び出すような症状)などの症状が現れます。血液検査で甲状腺ホルモンのレベルを測定することで診断を行います。抗甲状腺薬によるホルモンの抑制、放射性ヨード治療、場合によっては甲状腺の一部または全部を除去する手術を行うことで治療を行います。また、症状のコントロールのために、心拍数を減少させるベータ遮断薬が使用されることもあります。
●慢性甲状腺炎(別名橋本病)
免疫系が自身の甲状腺を攻撃することによって引き起こされる慢性的な炎症状態です。この結果、甲状腺機能が低下し、疲労感、体重増加、寒さに敏感になる、皮膚の乾燥、脱毛、便秘などの症状が現れます。血液検査で甲状腺ホルモンと甲状腺自己抗体のレベルを測定することで診断します。治療は主にホルモン補充療法(レボチロキシン)を使用し、甲状腺ホルモンの不足を補います。定期的な血液検査と診察が必要です。
●亜急性甲状腺炎
ウイルス感染が原因で一時的に甲状腺が炎症を起こす疾患です。主な症状は喉の痛み、発熱、疲労感、甲状腺の腫れや痛みです。これらの症状は通常数週間から数ヶ月続きます。血液検査で炎症マーカーや甲状腺ホルモンレベルを確認することで診断されます。治療には痛みを和らげるための鎮痛薬や抗炎症薬、症状が重い場合はステロイド薬が使用されます。ほとんどの患者は適切な治療で完全に回復しますが、まれに甲状腺機能低下が残ることがあります。
甲状腺疾患の原因
バセドウ病、橋本病、ある種の甲状腺腫瘍は、ある程度遺伝と関係があるといわれています。
バセドウ病は甲状腺にあるTSH受容体に甲状腺刺激ホルモンが結合し、甲状腺が刺激され、ホルモン産生がされますが、バセドウ病では、この受容体に強く結合する自己抗体がつくられてしまうため、過剰に甲状腺が刺激され、ホルモンが増加します。
橋本病に関しては、甲状腺の自己抗体による免疫系の異常が原因といわれています。自己抗体により慢性的に甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンをつくるはたらきが弱くなります。
甲状腺疾患の検査方法と診断
採血 甲状腺エコー
甲状腺エコーでは、超音波装置を用いて、甲状腺の大きさや甲状腺腫瘍などを調べます。
採血では甲状腺ホルモン(甲状腺刺激ホルモン・F-T3・F-T4・サイログロブリン)を測定し、甲状腺疾患を調べます。
甲状腺疾患の治療
バセドウ病、橋本病では、甲状腺ホルモンの量を検査し、甲状腺ホルモンが低下した時に用いる甲状腺ホルモン薬と、亢進した時に用いる抗甲状腺薬の2種類が使用されます。
バセドウ病において、薬物療法だけでは症状が改善されない方、あるいは薬物療法以外の治療を望まれる方には、海外(アメリカやヨーロッパ)で多く行われている放射線療法(アイソトープ治療)や手術療法が医師から推薦されます。
診療について
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