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「薬の数」や「お薬代」だけで決めていませんか?糖尿病治療の本当の目的は

[2025.06.11]

📝糖尿病の治療を続けていると、
「薬が多くなってきた」「薬代が負担に感じる」
そんなお気持ちを持たれる方もいらっしゃいます。それもよくわかります。

ですが、あなたの飲んでいる糖尿病の薬、本当にご存知ですか?

「薬代が安くて、飲む数が少なければそれでいい」と思っていませんか?

毎月の費用や通院の大変さを感じるのは当然のこと。
ですが、治療の「価格」や「量」だけを基準にしてしまうと、
本当に目指すべき治療のゴールから遠ざかってしまうこともあるのです。

🎯【糖尿病治療の本当の目的とは】

糖尿病の治療は、単に血糖値の数値を下げることが目的ではありません。
日本糖尿病学会のガイドラインでも明確に示されているように、治療の本来の目的は、

「糖尿病があっても健康な人と変わらない生活の質(QOL)と寿命を実現すること」
「合併症の予防を通じて、健康寿命を延ばすこと」です。

だからこそ、今だけでなく5年後、10年後の健康状態を見据えて、病態に合った治療を選ぶことが大切なのです。

💊安価なお薬が合併症リスクを高めることも】

たとえば、インスリン分泌を強める**SU薬(スルホニル尿素薬)**は、長年使われてきた実績がある一方で、
低血糖や体重増加のリスクがあり、心血管系の負担を高める可能性もあります。

実際、フランスの研究者Boussageonらによるメタ解析(BMJ 2010)では、
SU
薬使用群は心血管死のリスクが1.24になると報告されています。
95%信頼区間:1.08–1.42
BMJ. 2010;341:c3620

つまり、「安いから安心」と思って選んだ薬が、将来の大きなリスクに繋がることもあるのです。

🌿【体重を減らすことで寛解を目指す薬も】

一方で近年注目されているのが、
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害薬

といった、新しいタイプの糖尿病治療薬です。

これらは、
食欲を抑えて体重を自然に減らす
血糖コントロールだけでなく、心臓や腎臓の合併症リスクも低下させる
インスリン抵抗性を改善し、薬を減らす、あるいはやめる寛解を目指すことも可能**

といった、従来の薬とは異なる「根本改善型」の特徴があります。

特にSGLT2阻害薬では、心不全や腎機能の進行抑制、

GLP-1製剤では心血管イベントの抑制効果が大規模臨床試験で証明されており、

これらの薬は単なる血糖降下薬ではなく、合併症を予防し、未来の健康を守る全身ケアの一環として注目されています。

また2024年発表された研究結果では

GLP-1受容体作動薬やSGLT-2阻害薬は単独でも心血管を守る効果がありますが、併用することでさらに強力な保護効果を発揮します。

心血管再発率:

単独治療:約26-30%

併用治療:6.1%

併用により再発リスクが85%減少し、心筋梗塞の再発防止と心不全予防に優れた効果を示しました。

もちろんすべての方に必要な薬ではありませんが、体の状態やリスクに応じて選択できるようになったのが現代の糖尿病治療です。

【「安い薬」が実は「高くつく」かもしれないということをご存知ですか? 】

糖尿病の薬代を節約したい気持ち、よく分かります。でも少し立ち止まって考えてみてください。

今の「節約」が将来の「大出費」になるかもしれません

例えば、月3,000円の薬代を月1,000円に抑えたとします。年間24,000円の節約ですね。でも、もしその結果として心筋梗塞や脳梗塞を起こしたら?

・心筋梗塞の入院治療:約60万円 ・カテーテル治療:約30万円
・その後の通院・薬代:月23万円 ・要介護状態になれば:月10万円以上

本当の「節約」は合併症を防ぐこと

最新の研究では、GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬は合併症のリスクを低減させることがわかっています。薬代は月数千円高くなりますが、重篤な合併症を防げれば、生涯医療費は大幅に削減できます。

家族のことも考えてみてください

あなたが倒れたとき、経済的・精神的負担を背負うのは誰でしょうか?

薬代の「先行投資」は、あなたと家族の未来を守る「保険」なのです。目先の数千円にとらわれず、長期的な視点で治療を選択してみませんか?

🧘‍♀️【糖尿病専門医としてできること】

当院では、糖尿病専門医が在籍し、
患者さん一人ひとりの体質・病態・ライフスタイルを丁寧に把握したうえで、
「何のために治療をするのか?」という目的を明確にしたご提案を行っています。

そして、
🍽 食事
🚶‍♀️ 運動
😴 睡眠
🧠 ストレスケア
など、生活のあらゆる側面を整えるサポートを通じて、薬に頼らない体づくりも目指しています。

🤝の不安に寄り添い、未来の健康を一緒に考える】

「薬が多くて不安」「費用が気になる」
そんなときこそ、どうぞ遠慮なくご相談ください。

私たちは、その方にとって最も納得できる治療法を一緒に探すことを大切にしています。
糖尿病専門医だからこそ、病態に合った治療の方向性をご提案できます。

糖尿病があっても健康に暮らせる未来のために、今できることから始めてみませんか?

🔖ご案内

🍀白子町、長生村、茂原市、大網白里市、東金で糖尿病治療をご希望の方へ
安藤医院では、糖尿病専門医とチームがあなたに寄り添いながら、健康な未来をサポートします。
あなたのお薬があなたに合っているか?将来の合併症を予防するのか、気になった方はお気軽に当院にご相談ください。

記事執筆者
安藤医院
副院長
権(安藤)れいか
(張 麗香)
資格
  • 日本糖尿病学会 専門医
  • 日本内科学会 総合内科 専門医
  • 抗加齢学会 専門医
  • 日本スポーツ協会スポーツドクター
  • 日本医師会健康スポーツ医
  • 臨床分子栄養研究会 指導医
  • 生涯学習開発財団認定コーチ
  • 日本コーチ協会認定メディカルコーチ
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本糖尿病学会
  • 日本内分泌学会
  • 日本甲状腺学会
  • 日本肥満学会
  • 抗加齢学会
  • 日本マインドフルネス学会
  • 日本メンズヘルス医学会
  • オーソモレキュラー医学会
  • 臨床分子栄養研究会
  • 点滴療法研究会
  • 日本肥満学会

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診療時間
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15:00~18:00circlecirclecirclecircle

休診日 水曜日・土曜日午後・日曜・祝日

アクセス

住所

299-4212
千葉県長生郡白子町古所3279-1

電話番号

0475-33-2211 

最寄駅

九十九里有料道路・白子ICよりすぐ。
専用の駐車場があります。
JR茂原駅 「白子車庫行き」
バス終点下車 徒歩3分

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